特集 看護の質に何を期待するか
看護職として看護の質をどう考えるか
失敗事例を通して老人看護の質を考える
川島 和代
1
1老人保健施設内灘温泉保養館
pp.509-511
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900381
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はじめに
私は現在,開設5年目の80床の老人病院と昨年オープンしたばかりの併設の100床の老人保健施設で勤務している看護婦である.それ以前は金沢大学医療技術短期大学部の看護学科で助手として全国に先駆けて,(同校では平成3年のカリキュラム改正以前より老人看護学がカリキュラムに盛り込まれていた)老人看護の実習を6年間担当させていただいた.病院や地域に老人患者が多数を占める時代となってはいたが,老人看護教育の領域はまだ未知の領域だったことが記憶に新しい.
こうして自分の看護の実践の場を,大半老人看護教育と老人医療の場に置いてきた.実習先の老人ホームや研修先の老人病院の看護は,総合病院と比較して看護者の量,質ともに大きな違いを感じ戸惑ったこともあった.一方,特別養護老人ホームの寮母職や老人病院の看護助手の方々が看護婦以上に細々と障害のある老人の介護にあたっていらっしゃる姿に看護の本来的な姿をだぶらせてみたこともあった.
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