特集 看護の質に何を期待するか
看護職として看護の質をどう考えるか
「患者中心」の理念の追求を通して—北里大学病院での実践と今後の課題
花井 恵子
1
1北里大学病院救命救急センター救急病棟
pp.506-508
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900380
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はじめに
“看護”ほど,人間存在のすべてを包括的に考えている分野は他にはない.それほど我々人間にとっては身近で重要なことであるのにもかかわらず,わが国においては未だにその質について真剣に取り組むような体制を整えていない.
社会的には,看護の質についての問題は,あたかも最近になって問われ始めたかのように見えるが,看護界においては,ずいぶん以前から言われてきていることであり,またその時代時代でその内容(求められる質)は変わってきている.たとえば近年のめざましい医療の進歩とともに,看護の内容もより専門的な知識や技術が求められるようになり,一方では我々自身も,従来の質では満足できなくなってきているということがある.そのような現状をふまえて,臨床看護婦の立場から,今までの体験も振り返りながら看護の質について考えてみたい.
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