特集 社会からみた医療の質の評価
医療の質の向上と経済的裏付け
池田 俊也
1
,
池上 直己
2
1慶應義塾大学医学部病院管理学教室
2慶應義塾大学総合政策学部医学部
pp.410-413
発行日 1993年5月1日
Published Date 1993/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900359
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これまで医療の分野においては,経済性や効率性を追及することは,医療費の削減あるいは医療の質の低下と同義と捉えられ,忌み嫌われてきた.しかしながら,有限の医療資源のもとで医療の質を向上させるためには,医療の効率性に目を向ける必要がある.諸外国と同様,わが国においても,医療の効率化は,今後の医療政策における中心的課題であると考えられる1).
本稿では,個人の医療技術の効率性を評価する方法論として近年注目を集めている「臨床経済学」につき,その方法論と応用事例を紹介する.次に,わが国において医療の効率性を達成するための一つのモデルとして,公私の病院の機能分化につき筆者らの意見を述べる.
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