連載 漢方のすゝめ—支持療法における処方の考え方[4]
国際化を目指すエビデンスに裏付けされた漢方薬—大建中湯
上園 保仁
1
1国立研究開発法人国立がん研究センター研究所
pp.354-357
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200307
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はじめに
本連載では、支持療法における漢方薬の処方についてこれまでに3回、科学的エビデンスに基づいた漢方薬の重要性ががん政策の観点から叫ばれるようになったこと、そして基礎および臨床研究に支えられた漢方薬の具体例として半夏瀉心湯、六君子湯を紹介した。今回は、漢方薬のなかで最も多く処方され、臨床効果および科学的エビデンスレベルも最も高い大建中湯の研究の一端を紹介する。
なお、大建中湯は漢方薬のなかで唯一、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)で臨床治験薬として認可されている。2009年より米国において種々の消化器疾患の治験薬として臨床試験が進められてきた経緯があり、2018年からは術後イレウス(postoperative ileus;POI)に対する改善候補薬として本格的に米国で開発が進められる予定である。
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