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「地域リハビリの推進」で朝日社会福祉賞を受賞—兵庫県立リハビリテーション中央病院 澤村誠志院長
浜村 明徳
1
1国立療養所長崎病院
pp.202
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900307
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十数年前,知人の紹介で先生を訪ねた.部屋に通され地域リハビリテーションの考え方を詳しくうかがった.初めてのものにも,昔からの友達であるかのように語ってくださる“気さくで優しい”先生である.その性格はISPO(国際義肢装具連盟,次期会長)などの活動を通して,世界に友達が多いことにもつながっているのであろう.
義肢とのかかわりは,事故で義足を余儀なくされた御尊父に「使いやすい義足を」という思いから始まり,もう一つのエネルギーを燃やされている地域リハビリテーションは,アルツハイマーの御母堂を家族で介護され学ばれたという.誰でもいろんな体験はするが,それを普遍化して活動に結び付けるものは数少ない.“情熱”の人であり,弱いものや困っているものの立場に立ってものが考えられる人である.新しい病院の最上階には展望浴場が作られた.家族や患者の立場に立って考えるだけでなく,これと思ったら“すぐ実行”しなくては気が済まないのも先生の性格である.
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