特集 病院の危機管理
【座談会】病院の危機管理
児玉 安司
1
,
武田 岩夫
2
,
三宅 祥三
3
,
大道 久
4
1三宅坂総合法律事務所
2横浜市衛生局医療対策部病院事業課
3武蔵野赤十字病院
4日本大学医学部医療管理学教室
pp.102-109
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902914
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大道(司会) 昨年の初めに横浜市立大学附属病院(以下,市大病院)で,手術をする患者さんを取り違えるという大変な事故が起こりました.この事故は広く報道され,医療界はもとより医療を受ける立場の国民にも大きなインパクトを与えました.また,これに伴い病院における安全性の問題や危機管理,リスクマネジメントというもののあり方が改めて強く問われ,様々な議論が展開されました.
そもそも病院という組織は複雑なうえ,様々な危険,危機が起こり得る状況下で医療が提供されているわけですから,病院においての危機管理は極めて重要な課題といえるでしょう.そこで本日は3人の先生方に,それぞれのお立場から病院の危機管理のあり方,危機を防止する具体的な方策,それを進めるうえでの考え方,あるいは危機管理の中での法的な利害調整,ないしは法律による判断,つまり裁判という場での問題の解決をせざるを得ない場面で病院としてどう対応したらよいかについてお話いただきたいと思います.
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