連載 アーキテクチャー×マネジメント・110
海老名総合病院
江川 香奈
1
1東京電機大学理工学部理工学科 建築・都市環境学系
pp.178-183
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541212118
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■はじめに
海老名総合病院は,1983年に神奈川県海老名市に設立され,埼玉県,神奈川県において,医療・介護・保健・福祉サービスを提供している社会医療法人ジャパンメディカルアライアンスによって運営されており,救急医療,および「がん」「脳卒中」などの治療に主軸をおいた診療活動を担っている.1983年に本館(407床で開院後,1991年に381床へ減床),2001年に新館(現・東館)(99床)が建設されたが,本館の老朽化とさらなる地域への急性期医療の提供の充実を図るため,2023年に新棟(現・西館)の建設,およびこれに伴う本館と東館の改修工事(2023年10月完了)が行われた(図1).本館と東館はそれぞれ異なる設計者,施工者に発注していたが,病院の将来を構想するに当たり,経営ビジョンを実現する病院建築の設計・監理を行える専門的な医療施設建設の知識と設計体制を有する設計者を選定すること,および適正なコスト管理を実践することを勘案し,コンストラクション・マネジメント(以下,CM)会社によるサポートを依頼した.
本稿では,CM会社の介入による病院建設という視点に基づき,西館建設までの過程と,経営ビジョンを反映させた既存施設を含めた全体計画,および西館の建築設計上の特色についてまとめる.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.