特集 どうなる,どうする病院の外来
医療政策の流れ
外来機能報告制度化の意味すること—データから分類する病院の外来機能
松田 晋哉
1
1産業医科大学医学部公衆衛生学教室
キーワード:
外来機能報告制度
,
紹介受診重点病院
,
地域医療構想
,
選定療養
Keyword:
外来機能報告制度
,
紹介受診重点病院
,
地域医療構想
,
選定療養
pp.488-495
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211696
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■外来機能報告制度化の経緯
「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進する観点から,医師の働き方改革,各医療関係職種の専門性の活用,地域の実情に応じた医療提供体制の確保を進めるため,長時間労働の医師に対し医療機関が講ずべき健康確保措置等の整備や地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組に対する支援の強化等の措置を講ずる」ことを目的として,「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」が2021(令和3)年5月28日に公布された.
この中で,外来機能の明確化・連携の推進が明言され,2022年から「医療資源を重点的に活用する外来等」について医療機関に報告を求める外来機能報告制度が創設されることとなった.そして,この法律の附帯決議に示された「外来機能の明確化・連携に当たっては,診療科ごとの外来医療の分析,紹介・逆紹介の状況の分析等をできる限り行うとともに,紹介を基本とする医療機関からの逆紹介の促進を図ること.また,かかりつけ医機能を発揮している事例等を調査・研究し,その好事例の横展開を図るとともに,国民・患者がかかりつけ医機能を担う医療機関等を探しやすくするための医療情報の提供内容等の在り方について検討すること」という意見を受けて種々の検討が国レベルで行われている.この「医療資源を重点的に活用する外来等」については,①医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来,②高額等の医療機器・設備を必要とする外来,③特定の領域に特化した機能を有する外来(紹介患者に対する外来等)がその定義案とされ,表1の項目が検討された1).
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