特集 病院のMSWをより発展させるには
病院におけるMSWの活躍
疾病と社会的環境の関連性を追及—岩手医科大学附属病院
攝待 幸子
1
,
戸田 峰子
1
1岩手医科大学附属病院
pp.41-43
発行日 1970年2月1日
Published Date 1970/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203872
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岩手医大は40年の歴史をもち,附属病院のベッド数は1075床,外来患者1日平均1152名,入院患者1日平均920名,教職員合わせ1220名という東北でも名実ともに高度医療センターとして,発展を続けている.附属病院に医療ケースワーカーが設けられたのは,昭和35年4月で,福祉短大卒業生が配置され,昭和39年6月前任者が退職したため,もと看護婦長であった現ワーカーに引き継がれた.その後,医療ケースワーカーの定員増が認められ昭和41年4月付にて1名採用され,現在2名となっている.所属は管理部門に属し,院内で最も医療ケースワークに深い理解を示す業務部長直属となって今日に至っている.
大学病院の特徴は,医学の教育・研究・診療の3部門からなり,診療部門を担当する各科医局には約30名の医師が研究および診療に専念している.科の診療を統括しているのが各科部長(教授)であり,医療ケースワーカーの利用についても,各科部長の理解の度合いにより,利用する方法も違っているように思われる.医学の進歩と専門分化に伴い,医師が患者の診療にかかわるすべてをみることが困難となっている今日,医師側は,患者の身体的疾患に深くメスを入れ,化学的・物理的療法を行ない,研究・診療という立場に立ち,一方,医療ケースワーカーは,患者の心理・社会的側面をみる社会福祉学の立場をとっているため,ともすれば,別個として存在するかに見られる.
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