特集 データヘルスで変わる病院
総論
マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「オンライン資格確認等システム」
山下 護
1
1厚生労働省保険局医療介護連携政策課
キーワード:
オンライン資格確認等システム
,
マイナンバーカード
,
PHR
,
Personal Health Record
Keyword:
オンライン資格確認等システム
,
マイナンバーカード
,
PHR
,
Personal Health Record
pp.682-687
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211489
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■はじめに
2021年3月より健康保険のオンライン資格確認が始まった.
これまで,病院等(保険医療機関・保険薬局)では,患者がどの健康保険に加入しているかの確認は,もっぱら健康保険証で行っており,その健康保険証が有効か否かは患者が来院した時点では分からなかった.病院等では,診療の翌月にレセプト請求をし,届いた保険者から資格過誤としてレセプトが返戻されて初めて,患者が提示した健康保険証が無効であったと知ることとなる.レセプトが返戻された病院等は,患者が診療当時どの健康保険に加入しているかを確認するため,あらためて,患者に問い合わせなければいけなかった.中には,その労力と得られる診療報酬額を勘案して請求を断念するところもあったのではないか.
こうした健康保険事務の非効率をできる限り少なくするため,審査支払機関〔社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険中央会(国民健康保険団体連合会から委託)〕が媒介となり,病院等と保険者をオンラインでつなぐことで,患者の健康保険証が有効か否かを直ちに病院等へ提供する仕組みが,オンライン資格確認である.
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