特集 データヘルスで変わる病院
総論
電子処方箋システムの構築に向けて
込山 愛郎
1
1厚生労働省医薬・生活衛生局総務課
キーワード:
電子処方箋管理サービス
,
処方箋の電子化
,
処方・調剤情報の共有・活用
,
重複投薬等の確認機能
,
電子版お薬手帳
Keyword:
電子処方箋管理サービス
,
処方箋の電子化
,
処方・調剤情報の共有・活用
,
重複投薬等の確認機能
,
電子版お薬手帳
pp.688-692
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211490
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■はじめに
データヘルス改革の中核となるオンライン資格確認等システムは,資格情報のデータベースとして機能するだけではなく,医療機関,薬局,審査支払機関などを結ぶ医療情報共有ネットワーク基盤として機能する.この基盤を活用することにより,医療機関・薬局間で処方箋情報を電子的に伝達することも可能になる.さらには,「請求事後的な」レセプト情報だけではなく,「リアルタイムでの」処方情報や調剤情報を,医療機関や薬局が共有することも可能になる.
こうした仕組みを目指して,厚生労働省,社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険中央会が中心となり,2022(令和4)年夏頃を目途に運用を開始できるよう,「電子処方箋管理サービス」のシステム構築が進められている注1.
このシステムは「処方箋の電子化」と「処方・調剤情報の活用」という主に二つの機能を有する.つまり,処方箋情報や調剤結果などを「迅速に伝達」できるメリットとともに,処方・調剤情報を医療関係者らで「一元的・即時的に共有」できるメリットをもつ.これにより,個々の薬剤情報について当該処方医療機関や調剤薬局のみならず,患者の同意の下,他の医療機関や薬局でもリアルタイムで一元的な閲覧が可能になる.加えて,レセプトの薬剤情報なども含めて,情報を「包括的・継続的に共有」することができる.
本稿では,電子処方箋管理サービスのシステム構築に向けた現在の検討状況について,厚生労働省医薬・生活衛生局の「令和2年度オンライン資格確認の基盤を活用した電子処方箋管理サービスに関する調査研究事業報告書」1)の内容を中心に概略を紹介したい.
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