特集 働き方改革のための生産性向上
医師業務の生産性向上
AIによる画像診断支援の今日と明日
韓 昌熙
1
,
島原 佑基
1
1エルピクセル株式会社
キーワード:
医療AI
,
画像診断支援AI
,
ディープラーニング
,
エルピクセル
,
EIRL
Keyword:
医療AI
,
画像診断支援AI
,
ディープラーニング
,
エルピクセル
,
EIRL
pp.423-425
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211427
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■はじめに
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの状況下,医師の働き方改革による新たな医療の在り方の実現は急を要する.そこで2020年は,医療AIの臨床導入が世界各国で急速に進んだ「医療AI元年」となった.読影においては,正確性と速度の両面で医師と画像診断支援AIの二人三脚による生産性向上に強い期待が寄せられている.画像診断支援AIはMRI・CT・X線を含むあらゆる医用画像の読影支援を大目的とし,「①見落とし防止」「②読影時間の削減」「③新たな診断基準の創出」がメリットとして挙げられる.
「①見落とし防止」は,AIによる医師の代替ではなく,普遍的・客観的診断が困難で読影者間に診断の差が生じがちな医療現場における「信頼できる自動セカンドオピニオン」としての誤診削減が主眼である.医療AI製品の最たる強みはここにあるだろう.さらに医療AIは,身体・心理の両面で読影における医師の負担を減らすことで,診断精度を高めつつも「②読影時間の削減」を達成できる.また,現在は研究開発の黎明期にある「③新たな診断基準の創出」とは,囲碁AIのAlphaGoがトップ棋士よりも正確な打ち筋を切り拓いたように,従来は思いもつかなかった新たな診断基準をAIによって発見・創発することを指す.
本稿では,生産性向上の観点から「②読影時間の削減」に焦点を絞り,世界各国の画像診断支援AIの研究動向を概観し,その後,エルピクセル株式会社(以下,当社)の製品「EIRL」を含めた医療AIの製品化が実現する「医療の効率化」を展望する.
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