特集 医薬品・医療材料をどうコントロールするか
病院における医薬品・医療材料のコントロール
病院のコスト削減のために共同購入はどうあるべきか—病院による病院のための共同購入(GPO)
原澤 茂
1,2,3
1一般社団法人日本ホスピタルアライアンス(NHA)
2済生会川口総合病院
3埼玉県済生会
キーワード:
病院経営
,
コスト削減
,
共同購入
,
GPO
,
情報共有
Keyword:
病院経営
,
コスト削減
,
共同購入
,
GPO
,
情報共有
pp.313-318
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211402
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■はじめに
日本の病院経営は,この10年間の傾向を見ても6〜7割が赤字経営である.収入のほとんど全ては診療報酬であり,2年に1回の改定によって年々下げられている.一方,費用は人件費と材料費である固定費が約8割であり,その他は委託費,水光熱費,減価償却費などである.
人件費は,2024年度施行に向けて進められている“働き方改革”によって一層増加傾向にあり,経営を圧迫することは論をまたない.病院経営の改善には,人件費を除く,材料費などの経費をいかに削減するかである.
2009年に「病院による病院のための共同購入」を掲げて立ち上げた日本ホスピタルアライアンス(NHA)は満10年を経過し,設立母体を異にする急性期病院の約300病院が加盟(図1),病院の材料費の削減成果額は約80億円超に達している.病院とサプライヤー(メーカー)がwin-winになることを前提としているこの組織が,今後とも一層充実していくことを期待したい.
本稿では,筆者が代表理事を務めるNHAの取り組みを紹介し,共同購入のあり方を考察する.
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