民間病院の経営と管理
薬価切下げと薬剤の購入
田中 凞
1
,
深瀬 邦雄
2
1井上病院
2日比谷病院
pp.676-679
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207533
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薬価改正を忍ばず
薬価基準引下げ18.6%という数字
今回の薬価改正に際して,告示前から,様々の予想・反応等が飛びかい乱れる中を,いたずらにそれらの動きに惑わされることなく,静かに告示の日を待った私的病院機関も多かったことと思われるが,当院もその一つであった.56年5月9日,新薬価告示のその日,正に私的病院は震えた.危機の念にである.発表によれば「今回の薬価基準改訂率18.6%,医療費換算でみると6.1%(ただし医科では6.7%)に当たる」とされた.果たしてそうであろうか.
以下に当院のささやかな分析とそれへの対処を通じてて,いささかの「思い」を訴えたい.もとより一病院の軌跡にのみ論拠を求めるのは決して正しくないし,公の発表である以上,十分なる討議と,使用頻度に基づく十二分の荷重平均計算がなされた上での医療費換算比率6.1%なのであろうが,少なくも地道に,こつこつと18年間地域医療の要請に応じた形で少しずつその対応を拡げて来たごく普通の私的一般病院を自認する当院の数字とは大きな隔たりがあり過ぎるように思われる.
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