連載 病院で発生する「悩み」の解きほぐし方・6
患者の意思をどのように確認すればよいのでしょうか?—①人生の最終段階編
越後 純子
1
1国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 医療の質・安全部 医療安全対策室
pp.792-794
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211286
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Case
末期がんで入院している患者の意識レベルが低下してきました.同居している内縁の妻(内妻)によれば,患者は積極的な治療は望まないとのことで,緩和療法を受けながら過ごしていました.いよいよ最期が近づき,意思表示が十分にできない状況に陥った後に,10年以上音信不通だった前妻との間の娘が初めて来院し,家族でもない者の意向に従って積極的な治療をしないのはおかしいと苦情を述べ,可能な限り生命を長らえるように積極的な治療を行ってほしいと言って譲らず,病院スタッフは内妻と娘の板挟みになり,対応に苦慮しています.
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