連載 病院で発生する「悩み」の解きほぐし方・7
患者の意思をどのように確認すればよいのでしょうか?—②認知機能低下編
越後 純子
1
1国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 医療の質・安全部 医療安全対策室
pp.868-870
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211304
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Case
80代の患者Aは,前医で生検の結果がんと診断され,手術目的でB病院へ紹介されました.B病院では,ガイドラインに従って,術前化学療法の上,手術を行いました.担当医Cは,術後の病理診断の結果では,がんは検出されなかった旨説明したところ,Aは,不必要な手術をされたと言い始めました.そこで,C医師は,化学療法が奏功して消失したと考えられる旨,時間をかけ説明しました.その場では収まったのですが,しばらく時間が経過すると,がんではなかったのに不要な手術をされたと同じ苦情を繰り返し言ってくるので,Cはその度に長時間説明することを数回繰り返しましたが,Aは,説明の度に激昂し,対応に難渋しました.これらの経緯と,家族の話も総合すると,Aには軽度の認知機能低下があることが分かってきました.
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