連載 ケースレポート
地域医療構想と民間病院・29
医療法人起生会 大原病院—行政と協力し地域と共に歩む病院
松田 晋哉
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
pp.437-442
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210980
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■はじめに
医療法人起生会大原病院は,福岡県行橋市にある地域包括ケア病棟36床,回復期リハビリテーション病棟30床,医療療養病棟35床,介護療養病棟35床の合計136床からなるケアミックス病院である1).標榜科目は内科,呼吸器内科,消化器内科,循環器内科,リハビリテーション科,放射線科で,また人間ドックや健診などの予防医療や,デイケア,デイサービス,訪問看護などの介護保険サービスの提供にも力を入れている.なお,大原病院は2018年11月に現在の新病棟になっているが,それ以前は156床であったので,約20床のダウンサイジングを行っている.
1931(昭和6)年の開院以来,同病院は地域医療の充実に貢献しており,特に平成に入ってからは,行政との緊密な協力の下,高齢者の介護に積極的に取り組んできている.例えば,介護保険制度発足前の1997年には行橋市の依頼を受けて在宅介護支援センターを開設し,理学療法士でケアマネジャーでもある稲冨武志氏(現・大原病院事務局長)を中心に,同市における介護保険事業の円滑な運営に取り組んできた.また,同市が行っている介護予防事業やまちづくり事業にも積極的に関わり続けており,行橋市における地域包括ケア体制構築の中核施設として機能し続けている.
本稿ではこうした大原病院の取り組みについて紹介する.
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