連載 多文化社会NIPPONの医療・13
「どうしても日本で受診したい」人の増加
堀 成美
1
1国立国際医療研究センター国際診療部
pp.816-817
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210817
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海外から日本に医療を受けにくる「医療ツーリズム」「インバウンド医療」が実際に何件あるのか,把握できない状況が続いている.2011年に新設された「医療滞在ビザ」の取得には時間や費用がかかるため,これを回避して観光や親類訪問のための短期滞在のビザで来日し,日本の医療機関を受診する人たちがいるためである.
「親(や祖父母)ががんと診断されたので,日本でよりよい治療を受けさせてあげたい」との相談が増える背景には,自国にはない治療の選択肢(承認薬の差)への期待以外にも,「医療の技術が高く,医師や看護師の対応が丁寧で公平だ」といった日本の医療への高い評価がある.
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