連載 多文化社会NIPPONの医療 外国人患者受け入れの課題解決Q&A・30
感染管理の観点から進める外国人受診者受け入れ体制整備
堀 成美
1
1国立国際医療研究センター国際診療部
pp.246-247
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211159
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2019年12月末に把握された中国・武漢での肺炎症例の集積の原因は,新しいコロナウイルスによるものであると2020年1月上旬に判明しました.コロナウイルスといえば,2002〜2003年に中国・シンガポール・香港などに広がったSARS,2012年にサウジアラビアなど中東で把握されたMERSを引き起こしたのと同じ種類のウイルスです.このようなアウトブレイクのニュースが流れると,医療機関の感染管理担当者が,受診問い合わせや来院時の対応を準備し始めますが,実は,対策は個別のウイルスごとに立てられるのではなく,「急性呼吸器症状のある患者にどのように対応するか」という軸で整理されます.検査を含めた診察が行われるまでは,原因が何か不明なためです.
輸入感染症に対する体制整備としては,次の3点が重要です.
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