連載 事例から探る地域医療再生のカギ・25
富山大学附属病院の経営改革(前編)
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント総合学科
pp.55-59
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210880
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■何が問題だったのか
①病院激戦地で経営改善を求められる国立大学附属病院
富山大学附属病院は,富山医科薬科大学の附属病院として1979年に開設された.2005年に富山大学,高岡短期大学との3大学統合により,富山大学附属病院に変更されている.
国立大学医学部の附属病院ではあるが,戦後の新設医大の附属病院として新たに設置されたため,運営的には厳しい環境にあった.まず,病院の建物は,富山市郊外の山を切り拓いて建設され,市内中心地から自動車で20分以上かかる交通不便地にあった.病床数も612床と大学附属病院としては決して大きくなかった.さらに,市内には,県立中央病院(733床),市立富山市民病院(595床),富山赤十字病院(401床),国立病院機構富山病院(300床),済生会富山病院(250床)が開設されており,患者を集めるに当たって厳しい競争に直面することとなった.
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