連載 「働き方改革」時代の労務管理・6
労働条件の変更は不自由
越本 幸彦
1
,
吉田 剛
1
1弁護士法人御堂筋法律事務所
pp.896-900
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210837
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■はじめに:「働き方改革」時代の労働条件の変更の重要性
「働き方改革」が叫ばれる中,多かれ少なかれ自院の労働条件や適法性を見直されている病院経営者も多いと思われる.その中で,より効率的かつ実態に即した労務管理を行うために,これまでの連載でご紹介した制度(労働時間や管理監督者制度,固定残業代制度や変形労働時間制度など)を導入または変更するに当たっては,従来の労働条件の変更を伴いうるため,労働条件の見直しに着手される場合も多いであろう.
もっとも,労働条件は労働契約の内容であるため,変更内容の合理性はもとより,変更のための手順にも,当然のことながら,一定の法律上の制約が存在している.
特に,労働者の不利益に労働条件を変更する場合には,労働者の同意の取得の前提となる必要かつ十分な情報提供や,変更の必要性を十分吟味しなければ,労働条件の変更が無効とされる危険が大きく,気付けば未払賃金が山積していたなどという事態に陥りかねないのである.
そこで,本稿では,労働条件を変更するためにどのような方法や制限があるかを確認・整理することで,実際に労働条件を変更する際の法的有効性を担保する方法について解説したい.
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