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病院職員の賃金と労働条件・1
西中 正久
1
Masahisa NISHINAKA
1
1全国病院労務管理学会
pp.338-339
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208001
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57年春季賃上げ状況
昭和57年春季の病院賃上げ状況は,全国病院労務管理学会調査によると,全職員平均で11,922円,賃上率6,4%,医師を除く職員では,10,615円,賃上率6.7%となっている.この結果は,昭和56年と比較し額において全職員では2,143円,上昇率で1.6%,医師を除く職員では1,498円,率で1.5%,それぞれ,額,率とも前年を下回ったものとなっている.一方,民間主要企業の場合の前年比では,額において578円,率で0.7%の落差となっているので,病院と他産業の賃上げ格差は拡大されたことになる.なお,民間主要企業の57年賃上げ状況を,労働省発表に見ると13,615円,上昇率7.0%となっているので,この結果を病院企業と対比して見ると,全職員の場合,額において1,693円,率で0.6%,医師を除く職員では3,000円,0.3%,いずれも病院企業が,主要民間企業を大幅に下回ったものとなっている.
他産業に対して病院企業の最近の賃上げ傾向は,病院においては専門職の労働力の需給関係が影響し,賃上げ水準も民間企業の平均を上回っていたが,その趨勢も診療報酬マイナス改定や医療費抑制策により,支払い能力が低下したため,その差は年々縮小傾向をたどり,57年は,病院財政事情もますます悪化し,世間相場を下回るものとなった(表1参照).
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