連載 アーキテクチャー×マネジメント・43
社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック
境野 健太郎
1
1工学院大学建築学部建築学科
pp.532-537
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210745
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■設立の経緯
社会医療法人敬愛会「ちばなクリニック」は,2002年11月,沖縄市知花にある「中頭病院」の隣に,中頭病院の外来診療部門を分離するかたちで開業した.同法人が運営する中頭病院は,1982年の開院以来,沖縄本島中部地区の中核病院(326床)として地域の総合医療を担ってきた.もともと医療機関が少ない地域であり,増加する患者に対応するために2度の増築を行ったが,外来患者数が1,000名を超え,待合スペースの不足や障害者用トイレなど要求される設備の設置,また,2000年の医療法改正への対応を目的に外来部門を分離して,ちばなクリニックの開設が行われた.
隣接して2つの医療機関を運営するに当たり,病院とクリニックの機能分化が図られた.中頭病院が入院・救急・紹介患者の受け入れといった地域支援病院としての役割を担う一方,ちばなクリニックは地域のかかりつけ医として,いわゆる飛び込み受診や中頭病院退院後の患者のフォロー,健診や予防の観点からの役割を担うこととした.クリニックに各診療科を構えて開設することで,中頭病院をかかりつけとしていた患者も安心して治療を継続することができた.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.