特別記事
病院総合医とは何か—現状と課題,そして期待
副島 秀久
1,2
1済生会熊本病院包括診療部
2済生会熊本県支部
pp.496-499
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210734
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■はじめに
現在,総合医あるいは総合診療医などの議論が再び注目を浴びつつある.2018年度から始まった予定の新専門医制度の議論の中で基礎領域として総合診療が専門医として位置づけられ,専攻医の募集も始まっている.こうしたなかで,総合医のなかのサブ領域としての病院総合医,ホスピタリストなども関心を集め始め,学会のみならず各病院団体も独自にその養成に乗り出す動きもみられる.それぞれが表明している理念や方針は,ニュアンスの違いはあっても,基本的には「幅広い診療能力」や「全人的医療」などに集約される.ただ,呼称はともかく,総合医あるいは総合医的な機能が以前にも増して求められている時代背景があり,急性期の病態を中心とした医療から亜急性期・慢性期の医療ニーズにも対応できる医師像を求める医療現場の求めは今後も大きくなるだろう.こうした社会の要請を念頭に置いて,わが国における病院総合医の現状と課題,そして期待について述べたい.
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