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職員を腰痛から解放しケアの質向上につなげる「ノーリフトⓇ」—公益財団法人健和会 戸畑けんわ病院
pp.451-453
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210723
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■「腰痛は職業病」ではない
医療現場では「腰痛は職業病」と我慢を強いる文化が根強く,腰痛による離職者は後を絶たない.
戸畑けんわ病院では「健康で安心して働き続けられる職場づくり」の一環として2013年に日本ノーリフト協会による「ノーリフトⓇ」学習会を開催した.英国発祥のノーリフトとは,「押さない・引かない・持ち上げない・ねじらない・運ばない」をキーワードに人力のみの移乗を禁止し,ケアされる人の自立度を考慮した用具の使用による移乗を行うための技術や考え方である.学習会では,力任せの不安定な移乗や介助は,患者を不安にさせて筋緊張による拘縮を招くこと,介助者の腰痛を引き起こすことを学び,スライディングシートやリフトなどの道具を適切に使用する安全な介助方法を教わった.
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