新病院建築・85
健和会大手町病院の設計
甲斐 達参
1
Tatsuzo KAI
1
1(株)竹中工務店九州支店設計部
pp.65-70
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208503
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北九州市における医療の状況は,必ずしも十分に市民のニーズを満足しているとは言えず,特に救急医療においては,公立,企業立の大病院と開業医との格差が大きく,地域医療全体が低い水準にとどまっているというのが実情であろう.こういった中で,健和会大手町病院は,365日・24時間体制の救急医療を主力とした本格的な開放型病院として計画された.
健和会は,大手町病院の建設に至るまで,既に同じ北九州市内に370床規模の総合病院と3か所の診療所,1か所のリハビリ病院を持ち,救急医療に主力をおいた医療施設として,その実績を高く評価されてきた.また日本では未だその導入が困難であるといわれるオープンシステムに対しての実績も持ち,地域の開業医と密接な連携を保ちながら,患者の立場に立った地域医療のあり方を追究してきた.このたび,更に大きく地域医療に貢献すべく北九州市の都心部に進出,実質的中核医療センターを目指し,開院の運びとなったものである.この思想を内外に明確に宣言する意味を込めて,正面外壁にOpen hospitalの文字を掲げている.
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