連載 ケースレポート
地域医療構想と民間病院・10
これまでの連載の小括—なぜ回復期・慢性期に注目するのか
松田 晋哉
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
pp.794-798
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210339
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■はじめに
現在,『病院』誌では内容の継続的改善を図るために国内の著名な病院関係者の方々にモニターを依頼し,種々のご意見をいただくシステムを導入している.幸い本連載についてはおおむねポジティブなコメントを頂戴しているが,地域医療構想との関係性をより明確にした方が望ましいという指摘もいただいている.確かに単なる好事例の紹介では,読者の方々の施設の経営改善に資することは難しい.異なる環境下にある他の施設にとって,より具体的な意味で参考となる内容とするためには,応用を前提としたエッセンスを明確にすることが求められている.この点に関して記述に甘い点が多々あったことは否めない.これまでの連載では,地域医療構想と関係の深い地域包括ケアネットワーク形成に病院としてどのように取り組むかという視点から,特に回復期・慢性期に力を注いでいる施設を取り上げてきた.しかしながら,なぜこれらの施設類型を筆者が重視しているのかという点について,必ずしもその理由を説明しきれていなかった感があり,この点を今回モニターの方に指摘されている.そこで,本稿では連載の目的について改めて筆者の考えを説明し,次回以降の連載内容の改善につなげていきたいと考えている.
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