連載 事例から探る地域医療再生のカギ・11
松前町立松前病院の医療再生(前編)
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント総合学科
pp.714-719
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210321
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■何が問題だったのか
医師雇用に苦しむ過疎地の病院
北海道松前町は,北海道最南端の渡島半島南西部に位置する町である.かつては,松前藩の城下町として政治・経済・文化の中心地として栄え,北海道では唯一の城のある町である.函館市から車で2時間(95km)と交通不便な土地にあり,漁業や水産加工,観光など従来からの主要産業は衰退の傾向にある.人口も減少傾向にあり,1970年の国勢調査で18,624人いた人口は2010年には8,750人と半分以下になっている.
松前町の設置する町立松前病院(100床)は,1990(平成2)年11月に北海道立病院から移管され,町立病院として運営されてきた.北海道のへき地の病院に共通の問題として,医師の雇用に苦労していた.
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