連載 ケースレポート
地域医療構想と民間病院・7
社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院—施設品質から地域品質へ:変化の先頭に立つ経営
松田 晋哉
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
pp.536-543
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210281
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■病院の概要1)
今回取り上げる社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院は石川県七尾市にある.図1および図2に示すように,同病院は公立能登総合病院と並んで能登中部医療圏・能登北部医療圏の急性期入院医療を支える中核病院である.総病床数は426床で,その内訳は一般病棟282床(看護基準7:1),HCU10床,回復期リハビリテーション病棟47床(看護基準13:1),地域包括ケア病棟47床(看護基準13:1),障害者病棟40床(看護基準10:1)となっている.また,診療科は24科(外科,消化器外科,乳腺外科,内科,消化器内科,心臓血管外科,循環器内科,脳神経外科,神経内科,整形外科,呼吸器外科,形成外科,美容外科,産婦人科,家庭医療科,緩和医療科,小児科,眼科,耳鼻咽喉科,泌尿器科,麻酔科,皮膚科,リハビリテーション科,放射線科)の総合病院である.
恵寿総合病院は先端医療から福祉までを総合的にカバーする「けいじゅヘルスケアシステム(KHS)」の中核施設である.この「けいじゅヘルスケアシステム」は表1に示すように医療,介護,予防,生活支援,住まいという地域包括ケアサービスを実践する組織となっており,また医療・介護の垣根を越えて1患者(利用者)1カルテの総合的な情報管理システムを構築している.このような組織づくりを実践してきた経緯を神野正博理事長は以下のように説明する.
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