特集 "淘汰"の時代を勝ち抜く民間病院
北海道の病院倒産事例から何を学ぶか
佐藤 鉄男
1
Tetsuo SATO
1
1北海道大学法学部倒産法
pp.1136-1141
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209727
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はじめに
医療経営が冬の時代を迎えたと言われて既に数年が経過した.この間の,経済的な破綻を意味する倒産という事態に陥る医療機関が跡をたたない事実が,これを証明する.
倒産という出来事は,個々の経営主体にとっては例外的な病理現象であっても,社会全体では相当数の発生が不可避的な現象と言えるものである1).それゆえ,その後始末すなわち倒産主体に関わる種々の利害を調整するシステムが存在している.破産・和議・会社更生といった裁判所における倒産処理制度がその代表である.倒産した医療機関も当然その対象となり得るものであり,現に破産や和議で処理された医療機関も少なくない.
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