病院管理トピックス 栄養
どこの病院でもすぐできるメニュー選択と個人対応,他
最勝寺 重芳
1
Shigeyoshi SAISHOJI
1
1聖マリアンナ医科大学病院栄養部
pp.244-246
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209256
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病院給食のサービスの悪さが指摘され,適時適温に関する努力が少しずつ理解され始めています.しかしながら現実は,かなりの抵抗があり,未だ実施のメドすらついていない施設も一方には存在します.これからの病院給食は,サービスそのものとして端的に表現でき,すぐ理解され評価しやすいものとして注目の対象になることは間違いありません.夕食6時問題は現代人のライフスタイルの変化,意識の変革,価値の多様化,サービスニーズの高まりといった社会的変化の一部として取り上げられたにすぎません.食事時刻の問題は人それぞれが生活習慣としてもっており,食事時刻を一定にしてもよいという病院の時代感覚の欠落と非常識に対しての批判であると受け止めるべきです.病院給食が食事療法として存在するなら,夕食が5時以前に配膳される意味を万人に理解させる必要があるでしょう.いずれにせよこれからは,「食事内容=料理の質」よりも,適温や食器の良さや配膳にかかわる人間的サービスの面に力を入れることがポイントと言えます.そこで最近もう一つクローズアップされつつある個人対応とメニュー選択について私の提案をしましょう.
病院の食事は患者個々に違っているべきであるという意見があります.その理由は,①たとえ病名が同じでも臨床症状には個人差がある,②エネルギー代謝や消化吸収機能に個人差がある,③食習慣や嗜好・生活スタイルに個人差がある,などです.
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