時評
自己管理型医療は「合理化」か
小野 重五郎
Jugoro ONO
pp.883
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208931
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電気技術畑に進んだ中学時代の友人が,ずいぶん前から腎不全になって血液透析を受けていると聞いた.自宅を訪ねてみたら,家庭で血液透析をしながら,子供をそばに座らせて勉強をみてやっていた.勤務は普通にこなしているという.この生活をもう10年も続けている.
筆者の83歳になる父は毎日自分でインスリンの注射をしている.今では家族のだれもがそれを当たり前のことと思っている.決して医師や看護婦の手を省くためにやっているのではない.また「自分のことは自分でやる」とムキになっているわけでもない.毎日の食事をとることと同じように,眼鏡を使うことと同じように,生活の光景になってしまっている.
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