特集 "一般病院"での卒後臨床研修を考える
大学における卒直後2年間の臨床研修
高久 史麿
1
,
鈴木 淳一
2
,
加我 君孝
2
Fumimaro TAKAKU
1
,
Junichi SUZUKI
2
,
Kimitaka KAGA
2
1東京大学医学部第3内科
2帝京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.838-846
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208689
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
内科系の臨床研修——2大学に見るローテート方式の利点と欠点
教育関連病院において医学生の臨床教育を行うことは,わが国の現状では極めて困難である.筆者は自治医科大学在籍中,教務委員長として学生のベッドサイド教育の一部を教育関連病院で行うことを計画・実施したが,数年ののちに中止せざるを得なくなった.うまくいかなかったことにはいろいろの理由があるが,その中で最も大きな点は,総合病院における医師のあまりの忙しさである.私立の病院はいうに及ばず,国公立病院でも,医師の数は診療を維持するだけで手一杯である.したがって,たとえ一部でも教育に時間を割くことは極めて困難であることを痛感した.アメリカのように大学関連病院が数多くあり,病院のスタッフだけでなく,その病院にベッドを持っている開業医の人たちも教育に参加するという形をとらない限り,学生に十分なベッドサイド教育を実施することは極めて困難である.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.