シリーズ病院経営
病院経営戦略論序説(5)—医療機関の抱える経営問題の分類(続き)
田中 滋
1
Shigeru TANAKA
1
1慶応義塾大学大学院経営管理研究科
pp.799-802
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208681
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経営問題の構造2つの原因ルート
連載の第4回(1985年4月号,p.351)では,医療機関が抱える様々な経営問題の多くが,以下の2種類の要因の組み合わせによって引き起こされる点を明確にした.それらは, a)医療を含むサービス財本来の特質が直接もたらす経営問題——(根本的課題) b)その特質から二次的に派生した産業発展段階の遅れがもたらす経営問題——(現状的課題)の2ルートである.
このどちらにも属さず,医療などのサービス財の特質によるのではない要因群は,「一般的原因」としてまとめられる.ただし,それらについては一般の経営学で十分に対処でき,特別な「病院経営学」が不要である理由は,説明を繰り返すまでもなかろう.
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