特集 ニードの多様化と効率的薬剤部門
病院薬剤部門の現状と当面する課題
朝長 文弥
1
Fumiya TOMONAGA
1
1北里大学病院薬剤部
pp.813-817
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209149
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■医療の変化と薬剤業務
現在,我が国の医療は大きな転換期に来ていると言われている.近年の医療の進歩は多くの技術革新の成果であるが,その結果は必然的に医療の専門化,高度化を招き,医療費の増大,更には医療保険制度の改革につながり,国庫負担の抑制と自己負担の増加,高度先進医療における自費負担方式の導入等が打ち出されている.また,医療法の改正による地域医療計画の策定は医療機関の機能分担により従来の外来中心から入院中心への傾斜を強めている.
これらの改革と共に,患者の医療への参加意識は高まり,医療機関,行政への患者の種々の要望はますます増大し,医療関係者はその対応に迫られているのが現状であろう.患者の要望は集約すれば,1日も早く治癒したい,しかも負担はできる限り少なく,更に知る権利を満足させてほしいということになるであろう.これらの患者ニードに少しでも応えるよう努力するのが医療関係者の務めである.現在は医療の質が問われ,患者サービスの向上に努めなければならない時代であり,患者が医療機関を選択する時代である.患者にとってよい医療とは,よい病院とは何かを常に考え,そのために業務の効率化を図ることは医療人としての使命であろう.
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