シリーズ病院経営
洛和会総合医療の道・その実践
矢野 一郎
1
Ichiro YANO
1
1医療法人洛和会理事
pp.224-228
発行日 1985年3月1日
Published Date 1985/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208537
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昭和57年秋,父であり,前理事長であった故矢野宏の三周忌の記念と考え,生前の前理事長の人生観,考え方,理念を「矢野宏・洛和会の道」という本にまとめた.その本を執筆していて,前理事長の病院経営への取り組み,考え方が私のそれとよく似ていることに驚愕した.
以後,私が理事長職を継ぎ,医療経営の方針を自分自身で考えねばならなくなったとき,新しいこと,不慣れなことを考えるよりも,前理事長の医療と経営に対する取り組みを研究し,決断の必要なとき,前理事長が考えたであろうことを踏襲することが最もよい策だと考え,実行した.前理事長の急逝で私が事業を引き継ぎ,どんな経営方針が示されるのかと多少とも不安の念にかられていた役職員も,前理事長の路線を継承していく方針が出たことで,一応の安堵感があったものである.というのも,理事長職を若冠31歳で引き継ぎ,2病院1医院,総ベッド数500床,職員480名を監督・指導していく立場に急遽立ったのであるから,当然至極なことだったのであろう.
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