研究と報告【投稿】
医療用食品の特性と普及状況
佐々木 澄夫
1
Sumio SASAKI
1
1財団法人日本医療食協会
pp.1071-1074
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208481
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病院給食の特性
入院患者の食事は,ホテルのレストランの食事とは内容に大きな相違がある.それは栄養学的に適切な食事が入院患者の一人一人の病状に対応して提供されねばならないことである.熱量の消耗を補給するばかりでなく,各臓器の機能の減退や病変に対応して,庇護的,もしくは積極的に治癒へ導くものでなくてはならない.そして多くは食欲が減退している患者に食欲を起こさせ,提供された食事が完全に摂取され,かつ消化・吸収されるような心理的効果も併せて考慮されたものでなくてはならない.
最近は注射あるいは点滴によって栄養を補給する技術が発達しているが,これは特別な場合に用いられるのであって,食事することにより単に物質的な効果ばかりでなく,精神・身体的に回復する力を生みだす効果を忘れるべきでないだろう.
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