寄稿 特殊疾患と医療チーム
小児総合病院における二分脊椎症医療の総合的管理の現状と問題点
大井 静雄
1
,
松村 長生
2
,
船井 康弘
3
Shizuo OI
1
,
chosei MATSUMURA
2
,
Yasuhiro FUNAI
3
1香川小児病院脳神経外科
2香川小児病院小児外科
3香川小児病院小児内科
pp.1028-1031
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208465
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二分脊椎症は,水頭症,無脳症とともに先天性中枢神経系奇形の三大疾患の一つである.1950年以前には,二分脊椎症(以下脊髄髄膜瘤・嚢胞性二分脊椎を意味する)患児は感染や悪化する水頭症病態のため多くが死亡した1).しかしながら紀元前2000年もの時代に既に知られていたこの疾患も,抗生物質の発見と水頭症病態の管理の進歩により,ようやく死亡率に著しい改善がみられるようになった1).
二分脊椎症の病態は,各臓器系を多系統に障害し複雑である.したがって,その合併症,機能予後の改善,向上にはそれぞれの診療科による臨床ケアが必要であり,更に,患児らの成長とともに,社会適合の大きな問題が臨床の問題とともに解決されねばならない.
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