ケーススタディ・人の管理
職場閉鎖で心理員を専門外に配転した例
pp.1062-1063
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208196
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〔事例〕
専門職の配置転換についてはとかく問題があるもので,ナースを事務に配置転換して理由はどうあろうと,裁判で負けている例などをよく耳にするものである.
当院では小児保健室といって,小児の健康管理・育児指導を,ドクター中心に看護婦・栄養士・心理員,それに事務員がチームを作って行い,臨床の小児科とは独立した業務を行っていた.ところがリーダーである医師が退職することになり,後任の医師も探していたのだがなかなか見つからない.結局小児保健室は閉鎖せざるを得ないという方針が固まった.しかし問題は看護婦,栄養士,事務員の配置先はあるものの,4名の心理員の配転先はないのである.しかもこの4名は「あなたは心理員として心理判定やカウンセリングなどを中心にした健康管理,育児指導の仕事をしていただきます」といって雇い入れた専門職なのである.院内どこを探しても心理員を必要とする職場はなく,しかも解雇するわけにはいかないのである.
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