老人医療と福祉の課題
施設の地域活動
阿 和嘉男
1
,
稲葉 峯雄
2
,
花田 和憲
3
Wakao HOTORI
1
,
Mineo INABA
2
,
Kazunori HANADA
3
1緑寿園
2ガリラヤ荘園
3眺峰園
pp.817-823
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208123
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ホームによる多角的地域活動のモデル—東京都・緑寿園
緑寿園は,昭和50年に設立された,特別養護老人ホームである.緑寿園設立に際しては,単に老人を施設に収容するのではなく,広く地域社会で(施設も含めて)老人が安心して生活のできる環境を作るために,在宅の虚弱老人へのサービスを行うケアセンターを併設した.設立の当初より,地域市行政(武蔵野市,小金井市,田無市,保谷市)との連携を図り,地域社会との広いつながりを持ちながら事業を行っている.ここでは,緑寿園の行っている地域活動について紹介したい.
施設における地域活動は,従来の施設が,地域社会から浮かび上ってきた一部の市民を対象として援助する考え方に発していたのに対し,市民すべてを対象とする市民福祉の考え方によって成り立っている.つまり,だれでもが年をとり,市民生活の中で,当然だれでもが何らかの老人問題を抱えることを前提としている.そして,その前提の下に行政,ボランティア,家族,老人,他機関を巻き込み,システムとして老人福祉を地域社会に広げていくのである.
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