小特集 病院の機能分化—特に専門分化の今後
地域に実績を築く循環器専門病院—15年間の実績と問題点
田中 孝
1
Takashi TANAKA
1
1医療法人福井心臓血圧センター福井循環器病院
pp.688-692
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208088
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近代科学のめざましい進歩は医学に大きな影響を及ぼし,病院の形態にも数々の変革をもたらしている.臓器別,系統別診療という一種の分化的診療が強調される一方,より総合的な観点に立った診療の重要性が認識され,分化と統合とが,より組織的に機能できる専門病院が脚光を浴びようとしている.
循環器病の専門病院は,国立循環器病センターをはじめ,ここ数年の間に,全国的規模でその建設が進められている.我々の病院は昭和42年9月開院以来,15年を経過し,ささやかながら先駆的な実績を築いてきた.内科系,外科系を併せ持つ循環器病の専門的治療施設は,すでに榊原任教授(当時)が昭和30年に,東京女子医科大学内に発足させており,福井循環器病院は,この心臓血圧研究所(心研)をモデルとして,榊原教授の出身地福井市に,独立した第一線の専門病院として建てられたものである.
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