特集 老人保健法と病院医療の展開
老人保健法の影響とその対応—一赤十字病院への影響と老人患者の実態
斎藤 達郎
1
Tatsuro SAITO
1
1大田原赤十字病院
pp.598-601
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208065
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老人保健法の影響と今後の課題■
本年1月1日から薬価が4.9%引き下げられ,加えて2月1日から老人保健法が施行され老人特掲診療料が新設された.これにより行き過ぎのある老人専門病院の排除はともかくとしても,良心的な病院にとっても程度の差こそあれ大半がマイナスの影響を受けたことは否めない.これら収益性に対する直接的影響もさることながら,一部自己負担制度が老人患者の受診率にどのように影響したかに関し,老人患者の受診傾向を注目する必要がある.老人保健法施行直後の昭和58年2月の診療レセプトによる限りでは著しい変化が現れた.もちろんある時期を経過しての再調査を行う必要はあるので,軽々な結論めいたことは避けねばならないが,施行直後の一現象としてもこれを把握する必要はある.
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