特集 老人保健法と病院医療の展開
老人保健法の影響とその対応—内科単科の民間病院の場合
渡辺 有造
1
Yuzo WATANABE
1
1湘南ホスピタル
pp.586-587
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208060
- 有料閲覧
- 文献概要
老人保健法成立に至る社会の流れ■
昭和48年のドルショック以来,2度の石油ショックを経て,高度成長を誇った日本経済もすっかり低成長状態に陥ってしまいました.その上,日本にも,先進国共通の人口老齢化が迫り,昭和48年から10年間のGNPの伸びが2倍なのに比べて,医療費は3.5倍,老人医療費は6.5倍に膨れ上がってきました.
このため,医学の発達や医療人の努力によって,せっかくかち取られた平均寿命の延長も,頭打ちどころか短縮の傾向すら出てきました.経済成長が世界的に低下してきている現在,医療へ回される費用の伸びもあまり期待できません.それでもやはり,人々が生きて,健康な生活を望む限り,大多数の人々にある程度の医療サービスを与えなければなりません.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.