グラフ
過疎地但馬の医療確保に努める—1市9町からなる一部事務組合立公立豊岡病院
pp.281-286
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207986
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
京都,大阪,神戸など京阪神の主要都市からは,いずれも特急で2時間半以上を要し,兵庫県の北海道とも言われる但馬地区は,日本海に面する山間部の多い過疎地であり,へき地と指定される地域数か所も含んでいる.現在人口10万人,若者は産業の少ないこの土地から都会へ出ていくことを反映して,65歳以上の高齢者が,既に10年後に予測される我が国の老齢人口14%に達している.
この過疎と高齢化の進む但馬の中核病院が公立豊岡病院である.歴史は古く,明治4年医療に恵まれない山陰地域に医療を施すことを目的に豊岡県医局として開設され,その後,一部事務組合立となり現在に至っている.構成市町は1市9町,病院組合傘下には5病院1,010床を有する.ところで,この数字は,この地域には他の公的病院が全く作られなかったため,自己増殖せざるを得なかったことを意味していると言っていい.そのため,唯一の公的総合病院として,組合傘下5病院の中核を成す公立豊岡病院は,この但馬地区でほとんどの医療を完結せねばならないという地域特性を受けて,地域の最終病院の役割を果たしている.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.