講座 病院経営分析入門・24(最終回)
経営分析の総括
一条 勝夫
1
Katsuo ICHIJO
1
1自治医科大学病院管理学
pp.230-231
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207972
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健全性の検討(前号つづき)
—限界利益率の管理
付加価値生産性は年度決算ではじめてはっきりするといったものなので,分かったときは「後の祭り」ということになりかねない.そこで毎月の段階で,どんなことをチェックしておくべきかということになると,毎月の損益計算において比較的正確であり,しかも採算管理上の重要なインデックスとしては「限界利益率」がある.これは前号で述べたように損益分岐点を支配する重要な要素である.そのうえに,材料費は付加価値計算において,控除項目のうちもっとも大きな部分を占める.他の経費的な項目は,数は多くても金額は小さく,それほど大きく変動しないので,年度でなければ決定しないようなこうした項目よりも,毎月毎月把握できる材料費を正確に把握して限界利益の推移を監視するのが健全性の経営的な管理に有効であるわけである.
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