特集 うつ病—日本精神病理・精神療法学会(第4回大会シンポジウム)
Ⅰ部 Pathogenieとの関連における性格と状況
総括
pp.365
発行日 1968年5月15日
Published Date 1968/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201329
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(総括—誌上追加) 4人の演者の立場,考えかたを司会者が自己流に概括しますと,第1席の諏訪さんは,うつ病の性格をいろいろいうけど,まず,うつ病というものを,型に分けて,それぞれの型において性格を論ずべきだというのです。そういうことばでいつているわけではありませんが,代つていえばそういうことだと思います。そうすると,それぞれのうつ病の型によつて,性格の型発病の状況にどんな違いがあるかないかということが問題になると思います。
そのつぎの武田さんは,そういう性格というものが発達してきた過程,性格の成りたち,発展が精神分析を通じてどういうふうにとらえられたか。さらに,うつ病になりやすい性格的要因のつくられるのは家庭においてでありましようが,家庭のなかの心理的な力動の特性は何か。それに焦点を置き,それを通じてうつ病の発生についての一つのヒントを得ようとしたというのが,その趣旨だと思います。この二つは精神分析派の考えにもとづき幼児期における母との感情交流,対人態度の歪み,愛の喪失の不安などが主な関心対象となつています。
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