小特集 院内診療各科の協力体制
児童精神科と小児科の協力
山崎 晃資
1
,
坂井 聖二
1
,
加藤 俊一
2
1東海大学医学部精神科
2東海大学医学部小児科
pp.856-858
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207849
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まえがき■
児童精神医学におけるLiaison-Consultation Psychia-tryの重要性については,いうまでもないことである.児童のもつ発達的特性から,地域社会のなかでのさまざまなアプローチが必要であり,地域の関連機関との実際的な連携,協働が不可欠であるが,同時に,総合病院における児童精神科の役割も検討しておかねばならない.
周知のごとく,諸外国における総合病院での児童精神科医の役割は,それぞれの医学専門領域における精神医学的諸問題に関するconsultationが重要な部分となっている.長期入院児の心理学的問題や,死を目前にした患児および両親に対するアプローチが,児童精神科医の対応すべきことがらの一つとなっているが,我が国においてはそのような認識は未だに不十分である.また,ネフローゼのために副腎皮質ホルモンの長期服用を続け,多彩な精神症状および問題行動が出現すると,小児科では対応が困難となり,open heart surgeryにみられるpost-cardiotomy dcliriumや,脊椎側わん症のためのコルセット着用による心理学的問題などに対する関心もほとんど払われていない.更に,眼科,耳鼻咽喉科における視覚障害,聴覚障害の診断と早期治療,教育に関しても,児童精神科医との密接な連携が必要であると思われるが,現状では必ずしも円滑には行われていない.
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