特集 医療の変革に対応する医療関係事務
検査事務の問題点と今後の課題
安田 和人
1
1帝京大学医学部臨床病理学教室
pp.578-581
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207778
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検査事務はだれによって運営されるのか■
それぞれ専門分野の特殊な知識を必要とする医療関係事務のなかでも,事務系職員にとって検査事務は特に耳慣れない用語や略称などが多く,敬遠されがちなもののひとつである.また臨床検査技師に事務的な仕事を担当させると,これまた極めて非能率的なことが多い.これは,現在では検査業務はその技術的進歩とともに知識も細分化されていて,すべての検査業務に精通することは不可能に近いこと,また彼らの大多数が学んだ医学技術専門学校でもともと事務的な仕事の進め方に関する知識を修得しておらず,特に業務上の文書の作成,配布,収受,あるいは整理保存などについて訓練を受ける機会もないことなどによる.かつそのようなことを自分の本来の業務とは考えない者が多い.
業務上の文書には直接検査成績に関するものと事務的なものとがあるが,いずれも会話や話し合い,記憶でことを処理するのは不確実であり,誤りが起こる危険があるため文書,帳票などで表現,記録しようとするのが目的であって,その最も本質的なものは,伝達性であり,保存性でなければならない.したがって,文案は分かりやすく,その目的や主旨をできるだけ平易に述べる必要があり,例えば箇条書きにすることも良い方法であろう.文字は明瞭で,その内容がその情報を必要とするすべての職種の人に理解できなければならない.
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