特集 医療の変革に対応する医療関係事務
看護事務の合理化
前田 マスヨ
1
1東海大学医学部附属病院
pp.572-577
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207777
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社会の変革は,医療の分野にも大きく影響を及ぼしつつあるが,看護事務についても同様と言える.その特徴は一口に言って医療の高度化と複雑化である.その現象として,多くの職種や業務の分化が生じ,看護の実践に際しては複雑で多岐にわたる場合が多い.しかし,これは現時点において,よりよい医療の展開のプロセスとして受けとめ対応していかなければならない.
医師をはじめ,医療職の分野における資格が数種類に過ぎなかった時代はさして古くはないが,短時日の間に20種を超すと言われる職種(分類の仕方で数は多少異なる)が生まれており,この職種にある人々は医療の中で分化していく機能を分担し,その役割を果たすのであるが,これらの職種の責任と看護職とが異なる点としては責任範囲の相違がある.今回,具体的に触れるのは,看護事務に限られるのであるが,今日,看護に強く求められていることは,人間性のある看護という目標を達成するための実践形態—そこでは経済性が要求されているが—は何かということであることを,まず述べておきたい.
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