リハビリテーション・その現状
リハビリテーション部門の運営費と採算性—東京厚生年金病院リハビリテーション室
石川 道雄
1
,
小野 守一
2
1東京厚生年金病院整形外科リハビリテーション
2東京厚生年金病院整形外科リハビリテーション室
pp.345-349
発行日 1981年4月1日
Published Date 1981/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207450
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近年,治療医学,公衆衛生の進歩により,我が国の人口構成は高齢化し障害者の増加が見られ,障害も重度化,重複化してきている.このためリハビリテーションに対する社会的要望は強く,リハビリテーション専門病院・施設は着実に増加し,10年,20年前とはまさに隔世の感がある.しかし地域的に適正な配置がなされているとは言えず,これら専門病院は温泉地など地方にある場合が多く,都市部の一般病院でのリハビリテーションは立ち遅れている.東京都で身体障害者運動療法,身体障害者作業療法の承認施設は,昭和51年末で一般病院671のうちそれぞれ8.6%,2.7%に過ぎない.この都市部でのリハビリテーションの普及の遅れの原因は種々考えられるが,まず社会保険診療報酬体系の中でのリハビリテーション医療の不採算性があると考えられる.しかし,これについての詳細な発表は少ない.総合病院の中でリハビリテーション部門の原価を正しく計算することははなはだ困難であるが,今回,当院で昭和55年5月期の病棟部門を除くリハビリテーション部門のみの原価計算を行った.これをもとに都市部総合病院におけるリハビリテーション部門の採算性について検討したい.
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